答え実はこれといった理由はありません。英語辞書 Merriam-Webster 自身が、can=能力・may=許可というこの使い分けルールを「特に理由はない」と明言しています。しかも語源をたどると、can はもともと「知っている」、may はもともと「力がある」という意味で、今の役割分担とはねじれた出発点でした。

📖くわしく解説します

アメリカの学校でおなじみの寸劇があります。生徒がCan I go to the bathroom?と尋ねると、先生がI don't know, can you?(さあ、君にそれをする能力があるのかな?)とすまして返し、最後はYou can, but you may not.(能力はあるだろうが、許可は出さない)と締める、というお約束のやり取りです。この背景にあるのは「can は能力、may は許可」という、学校で教わる使い分けルールです。

ところがこのルール、語源までさかのぼると出発点がねじれています。can は古英語のcunnanという動詞から来ていますが、これはもともと「〜の力がある」ではなく「〜のやり方を知っている」という意味でした(方言に残る「知る」を意味する ken や、cunning という単語も同じ語源です)。一方の may は古英語magan由来で、こちらは最初から「力がある・〜できる」という意味でした。つまり今「能力」の役を担っている can のほうが、もとは「知識」の動詞であり、「許可」の役を担っている may のほうが、もとは「力・能力」の動詞だったことになります。

その後この2語は意味が重なり合いながら発展し、Merriam-Webster's Dictionary of English Usage によれば19世紀末までには can も may も、どちらも「許可」の意味でほぼ同じように使われるのが普通になっていました。そこへ19世紀の文法家たちが割って入り、「can は能力だけ、許可を求めるときは may を使え」という規範を教室に持ち込みます。Merriam-Webster はこの規範について「can より may のほうが単に『許可』の意味で長く使われてきたというだけで、それ以外に特に理由はない」とはっきり述べています。

というわけで、あの先生の切り返しは歴史的な必然というより、19世紀の文法家が持ち込んだ後付けのマナーに近いものです。とはいえ実用面では今も生きているルールで、日常会話ではCan I...?が主流である一方、接客や改まった文章、目上の人への依頼ではMay I...?や、さらに柔らかいCould I...?が好まれます。文法違反ではなく、あくまで丁寧さの度合いの問題だと知っておくと、先生の小言も少し気楽に聞き流せます。

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In formal writing, it's more polite to say "May I ask a question?" than the more casual "Can I ask a question?"
改まった文章では、くだけた『Can I ask a question?』よりも『May I ask a question?』のほうが丁寧に響く。

🏷 can may permission 文法 cunnan magan Merriam-Webster

まとめ

Q. 「Can I go?」に先生が「I don't know, CAN you?」と返す、あの英語圏のお約束ネタ。can と may の使い分けに、そもそもちゃんとした理由はあるのか?

A. 実はこれといった理由はありません。英語辞書 Merriam-Webster 自身が、can=能力・may=許可というこの使い分けルールを「特に理由はない」と明言しています。しかも語源をたどると、can はもともと「知っている」、may はもともと「力がある」という意味で、今の役割分担とはねじれた出発点でした。

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