答え古英語には -s とは別の -n 複数形があった。その最後の生き残り。
📖くわしく解説します
古英語の名詞は、性・格・数によって複数の変化パターンに分かれていました。そのうち弱変化名詞のグループは、複数形を -an / -en で作っていました。eyen(目)、shoon(靴)、housen(家)、kine(牛)などが普通に使われていたのです。
ノルマン征服後の大混乱で、英語は圧倒的多数派の -s にほぼ統一されます。その津波を生き延びたのが oxen、children、brethren のわずか3語だけ。
しかも children は二重の化石です。古英語の複数形は cildru。それがすでに複数形なのに、-en をさらに付けてしまった二重複数なのです。brethren も同様。
シェイクスピアの時代にはまだ eyen が使われていました。あと数百年ずれていたら、私たちは eyes ではなく eyen と習っていたかもしれません。
この -en 複数形が消えていった過程には、地域差もありました。イングランド南部では -en が長く残り、北部では早くから -s が優勢だったことが記録に残っています。最終的に北部式が標準になったのは、ロンドンの言葉が北部の影響を強く受けていたためとされます。
方言にはまだ生き残りがあります。イングランド南西部の一部では housen(家々)が使われていたという記録があり、スコットランドの kine(牛)も文学の中に残っています。標準語とは、生き残った方言のこと——この視点を持つと、文法の例外に対する見方が変わります。
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❓まとめ
Q. child → children、ox → oxen だけ -en なのはなぜ?
A. 古英語には -s とは別の -n 複数形があった。その最後の生き残り。