答えチョーサーもシェイクスピアも普通に多重否定を使っていた。「論理的でない」と禁止したのは18世紀の文法家。
📖くわしく解説します
古英語・中英語では、否定語を重ねるほど否定が強まるのが普通でした。フランス語 ne...pas、スペイン語 no...nada と同じ仕組みです。
チョーサーの『カンタベリー物語』には、一文に否定語を4つ重ねた表現すらあります。シェイクスピアも I will not budge for no man's pleasure と書いています。
これを「間違い」にしたのは、18世紀の文法家ロバート・ラウスら。「数学では負×負=正だから、否定を二つ重ねたら肯定になるはずだ」という、言語には何の根拠もない理屈でした。
現代でも I don't know nothing は多くの英語方言で「何も知らない」という完全に正常な表現です。「非文法的」とされる表現の多くは、単に権力を持たない話者の文法だったりします。
この「後から作られたルール」は、英語にいくつもあります。二重否定の禁止、前置詞で文を終わらせない、分離不定詞を避ける——どれも18世紀の文法家が、ラテン語を手本に発明したものです。彼らは言語を観察したのではなく、あるべき姿を決めました。
現代の学習者にとって実用的なのは、「非文法的」と言われている表現ほど、話し言葉では普通に使われていると知っておくことです。ただし試験やビジネス文書では標準形を使うべきで、二重否定は避けるのが無難。ルールの出自を知ったうえで、場面で使い分けるのが一番強い立場です。
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❓まとめ
Q. 「二重否定は間違い」というルールは、後から作られた思い込み
A. チョーサーもシェイクスピアも普通に多重否定を使っていた。「論理的でない」と禁止したのは18世紀の文法家。
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