📖くわしく解説します
見た目はどれも「横棒」ですが、役割はまったく別物です。ハイフン(-)は単語と単語をくっつけて1語にする記号(well-known、mother-in-law)。エンダッシュ(–)はハイフンよりやや長く、数値や期間の「範囲」を表します(2010–2015)。エムダッシュ(—)はさらに長く、文の途中に割り込んで補足や強調を差し込むときに使います。3つとも別の記号だと知らずに、キーボードのハイフン1つで済ませている人がほとんどです。
名前の由来は活字印刷の時代にさかのぼります。エンダッシュは「N」の文字幅、エムダッシュは「M」の文字幅に由来する、という説明が広く伝わっています。金属活字を組んでいた時代、実際にNやMの幅に近い棒が使われていたのは事実ですが、現代の書体ではMの実際の幅とは一致しないことも多く、厳密には「emはその書体のポイントサイズに等しい単位」というのが正確な定義です。由来としての「N・M幅説」は、あくまで分かりやすい目安として覚えておくとよいでしょう。
使い分けの感覚をつかむなら実例が早道です。a well-known author(ハイフンで1つの形容詞に)。the 1939–1945 war(エンダッシュで「〜から〜まで」)。a New York–London flight(複数語の固有名詞をつなぐときもエンダッシュ)。I love you — more than you know.(エムダッシュはカンマでは弱く、コロンや括弧では強すぎるときの中間として、話の腰を折るように差し込む)。
とはいえ、日常のタイピングでここまで律儀に使い分ける人は多くありません。SNSやチャットではハイフンを2つ並べて「--」でエムダッシュの代用にする書き方も定番です。逆に、きちんと使い分けられた文章は「きちんと組版された印刷物らしさ」を醸し出すため、書籍や新聞、学術論文では今もこの3つの棒が厳密に使い分けられています。
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❓まとめ
Q. 「- – —」、実は長さの違う3種類の横棒だと知っていましたか?
A. 短い順にハイフン(-)・エンダッシュ(–)・エムダッシュ(—)。単語をつなぐか、範囲を示すか、文を断ち切るかで、使う棒が変わります。