📖くわしく解説します
ジャンボジェット(Jumbo Jet)やジャンボサイズのポップコーンなど、「とにかく大きい」を表す jumbo という単語。多くの人はこの単語が、1880年代にP・T・バーナムのサーカスで一躍世界的な人気者になった巨象ジャンボにちなんで作られたと思っています。たしかに「並外れて大きい」という意味が英語に定着したのは、間違いなくこの象の大人気がきっかけでした。
ところが語源辞典 Etymonline によれば、jumbo という単語そのものは、象のジャンボが生まれるよりも前から存在していました。1823年の俗語辞典に、すでに「不器用で大柄な男」を意味する語として記録が残っているのです。ジャンボ本人は1860年ごろスーダンで生まれ、1865年にロンドン動物園へ、1882年にバーナムのもとへ渡っていますから、単語の記録のほうが60年近くも先輩です。つまり「象の名前が単語を生んだ」のではなく、すでにあった俗語が象の名前として選ばれた可能性が高いのです。
では、その1823年の俗語自体はどこから来たのか。ここは語源辞典自身も「perhaps(おそらく)」「possibly(ことによると)」と慎重な言葉を添えている、確証のない領域です。有力とされる説は、西アフリカの言語に遡るというもの。コンゴ語で象を指す nzamba や、スワヒリ語で「首長」を意味する jumbe との類似が指摘されていますが、どちらも響きが似ているという段階の推測であり、直接の証拠文書は見つかっていません。英語の呪文めいた言い回し mumbo jumbo との関連を疑う辞書もあり、この一語の正体は今も完全には解けていません。
はっきりしているのは、「巨大な象がいたから jumbo という言葉ができた」のではなく、順序が逆だということです。動物園は目立つ名前を探して、当時すでに巷にあった jumbo という俗語を象に与え、その象が空前の人気者になったことで、今度は単語の意味そのものが「不器用な大男」から「並外れて巨大」へと塗り替えられていきました。ジャンボジェットという呼び名は、この塗り替えられたあとの意味を受け継いでいるわけです。
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❓まとめ
Q. ジャンボジェットの jumbo は、あの有名な巨象ジャンボにちなんで作られた言葉 — 実は生まれた順番が逆です
A. 「巨大」を意味する jumbo という単語は、象のジャンボが世界的な人気者になるより前から、すでに俗語として存在していました。言葉が象の名前を生んだのではなく、既にあった言葉が象の名前として選ばれたのです。