答えフランス語 surlonge(腰肉の上)。sur が英語風に sir と綴られただけ。
📖くわしく解説します
ヘンリー8世(またはジェームズ1世、チャールズ2世 — 話す人によって王様が変わるのが怪しいところ)が、あまりの美味さに剣で肉を叩いて「Sir Loin」と名付けた、という愉快な逸話。
実際は古フランス語 surloigne / surlonge、つまりsur(〜の上)+ longe(腰肉)で「腰肉の上部」という、身も蓋もない部位名です。
英語に入ってから sur が sir に引きずられて綴りが変わり、その綴りを見た誰かが王様の話をこしらえた — 綴りの誤りが伝説を生んだ典型例です。
こういう「知らない外国語を、知っている自国語に読み替えてしまう」現象を、言語学では民間語源(folk etymology)と呼びます。asparagus を sparrow grass(スズメの草)と呼んだ例や、crayfish の -fish(実際はフランス語 crevice 由来で魚とは無関係)も同じ仕組みです。
牛肉の部位名はほかにもフランス語だらけです。chuck(肩)、brisket(胸)、tenderloin(ヒレ)。ノルマン征服後、家畜の名前は英語(cow, pig, sheep)、料理になった肉の名前はフランス語(beef, pork, mutton)という分業が生まれた——という有名な話も、この延長線上にあります。
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❓まとめ
Q. サーロインは「王様が牛肉にナイトの称号を与えた」から Sir + loin — 違います
A. フランス語 surlonge(腰肉の上)。sur が英語風に sir と綴られただけ。