答え中世ラテン語 sclavus から。中世ヨーロッパで多くのスラブ系の人々が奴隷とされた歴史の跡です。
📖くわしく解説します
中世初期のヨーロッパでは、東欧のスラブ系の人々が大規模に捕らえられ、売買されていました。その結果、民族名を表すラテン語 Sclavus が、そのまま「奴隷」を意味する一般名詞になってしまいます。
これが古フランス語 esclave を経て、英語の slave になりました。ひとつの民族の名前が、そのまま「所有される人」の意味に転落した——語源の中でも特に重い一例です。
同じ語根から Slav(スラブ人)、Slavic(スラブ語派)、そしてイタリア語の挨拶 ciao(元は「あなたのしもべです」)も派生しています。チャオと言うたび、歴史の一部を口にしていることになります。
この意味の転落は、ヨーロッパ語の広い範囲で同時に起きています。ドイツ語 Sklave、フランス語 esclave、スペイン語 esclavo、イタリア語 schiavo。どれも同じ民族名から来ています。言葉は、その言葉を作った社会が誰をどう扱ったかを、そのまま記録するわけです。
ciao の話には続きがあります。ヴェネツィア方言の s-ciào vostro(あなたのしもべです)が縮まって ciao になりました。謙譲の挨拶が、世界一気軽な挨拶になったのです。日本語の「かしこまりました」が「ちわっす」になったようなもの、と考えると近いかもしれません。
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🔊この話に出てきた英語を使ってみる
音声ボタンを押すと、ネイティブ発音で読み上げます。
The museum documents the history of slavery.
その博物館は奴隷制の歴史を記録している。
❓まとめ
Q. slave(奴隷)の語源は、民族名の「スラブ人」
A. 中世ラテン語 sclavus から。中世ヨーロッパで多くのスラブ系の人々が奴隷とされた歴史の跡です。
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