答え昔は人称ごとに全部語尾が違いました。他が全滅する中、3人称単数だけが取り残されたのです。
📖くわしく解説します
古英語の動詞は、主語によって語尾が全部変わりました。現代英語で言えば I singe / thou singest / he singeth / we singath …という具合です。ドイツ語やフランス語の活用表を思い浮かべてもらうと近いでしょう。
ところが中英語の時代に、語尾の母音が弱まって次々に脱落していきます。thou(親しい相手への「きみ」)が消えたことで -est も消え、最終的に-eth(のちに -s に置き換わる)だけが1か所に残った——それが三単現の -s です。
つまりあの -s は新しいルールではなく、崩壊した活用体系の生き残り。学習者が「なんでここだけ?」と感じるのは正しい直感で、実際にそこだけ理屈が通っていません。-eth から -s への交代は北部方言の影響とされ、シェイクスピアの時代は両方が混在していました。
この -s の孤立ぶりは、今も揺れています。アフリカ系アメリカ英語(AAVE)やカリブ英語の一部では He go. のように -s を付けません。これは間違いではなく、崩壊の続きが最後まで進んだ体系です。標準英語のほうが、たまたま途中で止まっているだけとも言えます。
学習者として押さえておくべきなのは、-s の脱落は文法ミスとして非常に目立つということです。意味は完全に通じますが、書き言葉では確実に指摘されます。三単現の -s は、通じるかどうかではなく、丁寧さの問題だと割り切って、機械的に付ける習慣をつけるのが早道です。
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🔊この話に出てきた英語を使ってみる
音声ボタンを押すと、ネイティブ発音で読み上げます。
She works at a hospital.
彼女は病院で働いている。
❓まとめ
Q. なぜ三単現の -s だけが生き残ったのか
A. 昔は人称ごとに全部語尾が違いました。他が全滅する中、3人称単数だけが取り残されたのです。
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