答え古英語には格変化があり語順は自由でした。語尾が擦り切れたぶん、位置が意味を担うようになったのです。

📖くわしく解説します

古英語は、現代ドイツ語やロシア語のように名詞が格変化する言語でした。「犬が男を噛んだ」の犬に主格の語尾、男に対格の語尾が付く。語尾を見れば誰が誰を噛んだのか分かるので、語順は比較的自由でした。

ところが、ヴァイキング時代の北欧語との接触、そしてノルマン征服による混乱の中で、語尾がどんどん擦り減っていきます。似た語彙を持つ言語どうしが接触すると、まず落ちるのが細かい語尾です。

語尾が消えれば、誰が主語か分からなくなる。英語はここで「位置」に役割を肩代わりさせました。動詞の前にあるものが主語、後ろにあるものが目的語。The dog bit the man. と The man bit the dog. は、単語がまったく同じでも意味が正反対——これが今の英語です。

この一点を理解すると、英語学習の優先順位が変わります。語順は「文法のひとつ」ではなく、意味そのものを運ぶ骨格です。日本語のように助詞で役割を示せない以上、並べる順番を間違えた文は、意味が変わるか壊れます。英作文で最初に固めるべきは、単語力より語順です。

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🔊この話に出てきた英語を使ってみる

音声ボタンを押すと、ネイティブ発音で読み上げます。

The dog bit the man, not the other way around.
犬が男を噛んだんだ。その逆じゃない。

🏷 語順 古英語 格変化 英作文

まとめ

Q. 英語の語順がここまで厳しいのは、語尾を失った代償

A. 古英語には格変化があり語順は自由でした。語尾が擦り切れたぶん、位置が意味を担うようになったのです。

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