語源は最初からやる方法ではありません。全単語を語源で覚えようとすると時間が足りない。ただし何周しても落ちない単語を仕留める最終手段としては最強です。そして1つの語根を知ると、10語以上が一度に片づくという副産物が付いてきます。
📜まず接頭辞。方向と否定を押さえる
接頭辞は意味の向きを決めます。ここを知るだけで、初見の単語でも意味の見当がつくようになります。
| 接頭辞 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| re- | 再び・後ろへ | return / review / recall |
| in- / im- | 中へ / 否定 | import / include / impossible |
| ex- / e- | 外へ | export / exit / emit |
| pre- | 前もって | prepare / predict / preview |
| sub- | 下に | submarine / subway / submit |
| trans- | 越えて | transport / translate / transfer |
| con- / com- | 共に | connect / company / compose |
| dis- | 離す・否定 | discover / dislike / distance |
📜語根:1つ知ると一気に増える
| 語根 | 意味 | 一気に片づく語 |
|---|---|---|
| port | 運ぶ | import / export / transport / portable / porter |
| spect / spic | 見る | inspect / respect / suspect / spectacle / perspective |
| dict | 言う | predict / dictionary / contradict / dictate |
| duc / duct | 導く | introduce / conduct / produce / education |
| fer | 運ぶ | transfer / refer / offer / prefer / suffer |
| ject | 投げる | project / reject / inject / object |
| press | 押す | express / impress / depress / pressure |
| rupt | 破れる | interrupt / erupt / corrupt / bankrupt |
| ced / cess | 行く | proceed / exceed / access / success |
| tain / ten | 保つ | maintain / contain / obtain / continue |
たとえば fer(運ぶ) を知っていれば、suffer は「下から(sub-)運ぶ」=「重荷を背負う」→「苦しむ」とつながります。丸暗記より、はるかに落ちません。
目標を立てる前に、現在地を知るほうが先です。 当サイトの語彙力テストは3分で終わり、CEFR(国際的な語学レベルの基準)で判定が出ます。 「単語をやるべきか、次の段階に進むべきか」がその場で決まります。
無料で語彙力を測る(登録不要)📜一度知ったら忘れない、強烈な語源
語源の本当の価値は、驚きが記憶を固定するところにあります。当サイトの雑学コーナーから、特に効くものを紹介します。
- muscle(筋肉)= 小さなネズミ — 力こぶが皮膚の下を走るネズミに見えた。くわしく
- salary(給料)= 塩 — ローマ兵の塩の手当が語源。くわしく
- company(会社)= 一緒にパンを食べる仲間 — com(共に)+ panis(パン)。くわしく
- quarantine(隔離)= 40 — ペスト対策で船を40日間留め置いた。くわしく
- disaster(災害)= 悪い星 — 星回りが悪いと災いが起きるという世界観。くわしく
- candidate(候補者)= 真っ白 — ローマの立候補者は白いトーガを着た。くわしく
こうした語源ネタは英語の雑学・豆知識に200本あります。勉強のつもりで読まなくていいのがこの方法の強みで、面白がって読んでいるうちに単語が残ります。
📜語源に頼りすぎない
最後に注意点です。語源は万能ではありません。
- 意味が大きくずれた語がある — nice はもともと「無知な」でした。語源から現在の意味は導けません
- 俗説が大量に流通している — もっともらしい頭字語の語源はほぼ全部が作り話です
- 時間がかかる — 全単語でやると単語帳が終わりません
📜接尾辞も押さえると、品詞が見える
接頭辞が意味の向きを決めるのに対して、接尾辞は品詞を決めます。これはTOEIC Part 5の品詞問題にそのまま直結する知識です。
| 接尾辞 | 品詞 | 例 |
|---|---|---|
| -tion / -sion / -ment / -ness / -ity / -ance / -ence | 名詞 | information / payment / ability |
| -er / -or / -ist / -ant | 人・もの | manager / editor / scientist / assistant |
| -ous / -ive / -al / -ful / -able / -ic | 形容詞 | famous / active / helpful / portable |
| -ly | 副詞 | quickly / recently |
| -ize / -ify / -en | 動詞 | realize / simplify / strengthen |
接頭辞・語根・接尾辞の3つがそろうと、初見の単語でも意味と品詞の見当がつくようになります。たとえば un-comfort-able なら、「否定 + 快適 + 〜できる」で「快適でない」。この分解ができるだけで、知らない単語への恐怖がかなり減ります。
❓よくある質問
Q. 語源で覚える方法は初心者にも向いていますか?
A. 最初の1周目には向きません。まず普通に単語帳を回して、何周しても落ちない単語だけに語源を使うのが効率的です。ただし接頭辞(re- / in- / ex- など)は初期から知っておくと、初見の単語の意味を推測できるようになります。
Q. 語源の情報はどこで調べればいいですか?
A. 英語圏では etymonline(Online Etymology Dictionary)が定番です。日本語で面白く読みたい場合は、当サイトの英語の雑学・豆知識に200本ありますのでどうぞ。
Q. ネットで見かける語源の話は信用できますか?
A. 半分は疑ってください。とくに「実は◯◯の頭文字だった」という説はほぼ全部が作り話です。golf、posh、news、tip、cop——有名なものは軒並み後付けでした。見分け方は簡単で、その単語が20世紀より前からあるなら頭字語説は成立しません。